風色の本だな

風色の本だな

サナの赤いセーター

  心あたたまる冬の絵本 第2弾

サナのあかいセータ「ー


◆サナのあかいセーター (絵本の時間 18)
なりたまさこ 作・絵 /ポプラ社/2002.11

 
成田雅子さんのデビュー作は、松谷みよ子さんのお薦めの絵本『いちょうやしきの三郎猫』です。

1963年東京生まれ。多摩美術大学油画科卒業。講談社絵本新人賞佳作入選2回。

『いちょうやしきの三郎猫』はとてもシックな色調で、なにか深く考えさせられる雰囲気を持っていて、私も大好きな作品なのですが、最近の成田さんの絵本は、また一味ちがった魅力があります。

親しみがあって、季節感を感じることができて、子どもの心に寄り添っていて、いいなあと思います。

この『サナのあかいセーター』はサナちゃんシリーズの第3作目で、他に『ふしぎなあおいバケツ』『ぼろぼろのすてきなかさ』今年の7月に出版された『はらぺこなしろくまくん』、そして11月に出版されたばかりの『サナのゆきのでんしゃ』があります。

ある日、大好きなおばあちゃんから 赤いセーターがおくられてきて、サナはうれしくて さっそく 着てみましたが、なんだか 小さくて きちきちです。

サナは、友だちのルルといっしょに ひっぱってみました。ぎゅーっ!!なかなか うまくいきません。

プレゼントのセーターを どうしても着たいサナは いろいろかんがえました。

そしてこちらも、とてもうれしい結末が待っています。

おばあちゃんの温かさが胸にしみます。

「けいとってやわらかいね、あったかいねぇ。」

このふわふわのほかほかのシーンがとっても好きです。

サナちゃんが生き生きとして愛らしく、動物たちの表情もやさしい。

ほんわかした雰囲気の楽しい絵本で、冬の日の読み聞かせにお薦めの一冊です。


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